あらゆるビジネスマンに、真の意味でのリーダーになってほしい。
2011年暮れ、このままでは日本は確実に衰退すると大きな危機感を覚えた。日本が存在感のある国として生き残るか否かは、自分の持ち場でリーダーシップを発揮するリーダーによると判断、同志を募り、一般社団法人を設立した。「グローバル時代のリーダーを育て、日本を明るく、輝く国にする」ことが基本理念だ。
雑誌「財界」から偶々新年特大号への寄稿を頼まれたので、下記のように「私の大きな夢」として、私の想いを述べてみた。皆様に一読をお願いしたい。
私の現在の情熱は、ビジネスマンをイノベーティブ・グローバル・リーダーに育成することだ。発端は数年前に、「日本の10年先の未来」というタイトルで講演を頼まれたことにある。
日本をあらゆる角度から分析してみて愕然とした。目指すべきビジョン・夢がない。財政状態は破綻の懸念。少子高齢化の多方面への悪影響。閉塞感。小粒な政治リーダー。この国は衰退か、沈没すると直感した。ではどうすれば良いのか。
経済大国NO.1になる必要もないが、世界から尊敬され、存在感のある国として残れるか否かは今後のリーダー次第と結論づけ、同志と語らって一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会を発足させた。
日本をイノベートして人々が夢を持ち、個々人がもっと輝く社会にする。これがGLCのミッションである。
今後どのように世界が変わっていくのか。
ポストパソコン時代は、スマート革命だ。ものづくりの時代からサービスが価値を創造する時代になってきている。グローバル化が一層進み、多文化民族が共生する一つの共同体となる。特に新興国が注目だ。新興国で成功するために新たなビジネスモデルが必要になってくる。
これらの変化に企業の形態も変わっていくのは間違いない。ポスト資本主義社会は知識労働者の時代と言われるが、組織は次第に”連邦組織”へと変わっていく可能性が高い。ひいては、チャールズ・ハンディの”シャムロック組織”へと近づいていくのかもしれない。
専門家によるネットワークへと発展するので、広く浅い知識のジェネラリストよりも、高度な専門技術を備えたスペシャリストが要請され、ノマド的な仕事の形態も今よりももっと多くなってくるだろう。
その時個々人は、「自分とは何か?」ということを深く省みて、自分の価値観と信念を確立することが、今まで以上に重要になってくる。自分の哲学に従って、自分の未来を築く”自律型”にならなくてはいけない。
自分の時間をマネジメントして、常に自分を高めていく。一生学習が当たり前の時代になってきているのではないだろうか。「滅私奉公」ではなく「活私奉公」なのだ。その時に必要とされるリーダーシップの重要な要素としては、人を巻き込んで実行していく力である。”いかに人を巻き込むか”ということには、異文化や多様化する価値観を理解したうえでの、コミュニケーション力が鍵となる。
同じ会社、同じ業界が長くなると、どうしても価値観も凝り固まってくる。時には業界や会社の悪しき慣習にとらわれることも少なくない。GLCの活動で「イノベーションリーダー養成講座」という講座は、各業界で活躍し、次世代リーダーを担う人材が各企業から1〜3名ずつ位で集まり、双方向の対話型講義やディスカッションを通じて切磋琢磨しリーダーシップの本質を理解し、自分自身を磨きこんでいくための「場」である。
経営者・リーダーが変革しないと、会社は変わらない。
経営者の品格・品性に経営は大きく影響される。
自分を磨くことを忘れたリーダーはもはやリーダーではない。
私はあらゆるビジネスマンに対して、リーダーになってほしいと思っている。それは肩書きとしてのリーダーということではなく、社会の中、世界の中の自分の役割を認識し、自己に対するリーダーシップを発揮して、自らがビジョン・未来を描き、周囲を巻き込み、夢を実現していくという、真の意味でのリーダーになっていってもらいたいと心底思っている。